(衆議院議員の質問文)
平成二十七年五月十四日提出 質問第二三〇号
選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する
質問主意書
二〇一一年、当時の片山総務大臣が「ホームページに選挙公報として掲載することは法的には可能だと思います」という国会答弁をしましたことが契機となり、総務省が、全国の選管に対して、選管ホームページに選挙公報をウェブ掲載することを認める通知を出しました。
この通知を受けて、選挙公報のウェブ掲載が全国で始まり、選挙期間中、有権者は選挙公報を選管のホームページ上で見ることが出来るようになり、利便性が高まりました。
しかしながら、ほとんどの自治体の選管は選挙が終わると選挙公報をホームページに掲載することをやめてしまっていて、各議員が選挙時にどのような公約を掲げていたのか、そして、その公約を履行しているかどうかを、有権者が任期の途中で確認することが出来なくなっています。
このような対応がされている理由は、総務省が「掲載期間は投票日当日までとすることが適当である」と通知に記載していることによるのです。ウェブ掲載を投票日当日までとする理由として、公職選挙法第百七十条において、選挙公報は、選挙の期日前二日までに配布することとされている一方で、選挙公報の選挙管理委員会ホームページへの掲載については、同法第六条の規定に基づき、有権者に対する啓発、周知活動の一環として行うものであることから、掲載する期日について特段の制限はないが、選挙運動用ポスターについては同法第百七十八条の二の規定において「選挙の期日後速やかに撤去しなければならない」とされており、選挙公報についても選挙運動用ポスターに準じた取り扱いとすることが望ましいからとしています。
しかし、上述した通り、選挙公報は各候補者の公約が記されており、後日、それが履行されているかどうかを確認するための数少ない材料となるものであるので、顔写真しかないポスターと同列に扱うべきものではないと考えます。また、各選管が選挙が実施されるごとに発行している「過去の選挙の記録」という冊子には、「過去の選挙結果のデータの一つ」という位置付けで、選挙公報が掲載されていることが多い実情があります。
冊子で行われていることがホームページ上ではダメだという合理的な理由はございません。つきましては、各議員が公約を実現出来ているかどうか確認できるように、少なくとも次の選挙までの間、選管のホームページで掲載し続けることが基本となるように、選挙公報のウェブ掲載を投票日当日までとすることが適当だとする通知を見直すべきだと考えますが、ご所見を伺います。 |
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(総務省の答弁書)
平成二十七年五月二十二日 答弁第二三〇号
選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する
質問に対する答弁書
選挙公報の選挙管理委員会のホームページへの掲載については、選挙公報が掲載順序をくじで定める等全ての候補者等に対して平等公正な取扱いとすることを確保する仕組みの下に発行されるものであることに鑑み、当該ホームページにアクセスした時には選挙公報がページ単位で、又は全体を一括した形で画面に表示される設定とする等、候補者等を平等に取り扱い、選挙の公正を害さない形式で行われるものであれば、有権者に対する啓発、周知活動の一環として行うことは可能であると解され、また、その場合の掲載期間については、選挙運動用ポスターの取り扱いに準じて投票日当日までとすることが適当であると解されたことから、「選挙公報の選挙管理委員会ホームページへの掲載に関する質疑応答集について」(平成24年3月29日付け総行選第8号総務省自治行政局選挙部選挙課長通知)により、その旨を各都道府県選挙管理委員会に通知するとともに、各市区町村選挙管理委員会への周知を依頼したところである。
一方、特定の選挙の啓発、周知活動の一環として行うものではなく、御指摘のように過去の選挙に関する記録として、投票日の翌日以降、選挙公報を選挙管理委員会の記録用のホームページに掲載することについては、次回以降の選挙に係る選挙公報と混同されたり、選挙の公正を害するおそれのない形式でおこなわれるものである限り、差支えないものと考える。 |